#chiroito ’s blog

Java を中心とした趣味の技術について

書評:みんなのJava OpenJDKから始まる大変革期!

2月頭に著者のきしださんとスウェーデンへ行った時に、毎日進捗を確認したおかげか、著者から献本をいただきました。

内容はこんな感じです。

  • 1章:Java SE
  • 2章:ディストリビューション
  • 3章:Java EE
  • 4章:MicroProfile
  • 5章:Graal VM
  • 6章:最近のフレームワーク

全体的に言うと、いろんな人がいろんなところで話している内容を良く纏めた感じです。内容は広く、そして浅いので細かい話なんかはありません。だいたいの章では背景から今後の話までしてくれるので、予備知識の無い人にも良いと思います。

個人的には Java SE に興味があるので 1 章が面白かったです。 1章はここ2~3年の Java SE の振り返りと、今後 Java に入ってくるであろう新機能について紹介してくれます。OpenJDK を開発する身からすると、この機能ってこのバージョンから入ったんだっけとか未だ入ってなかったんだっけとかいろいろあって面白かったです。新機能の細かい部分について理解がないところもあり良い学びになりました。この章を読んだらJava SEの新しい機能を触ってみようと思う人は増えると思うと。

2章はリリースのライフサイクルや各種ディストリビューションの話。ここは押さえといた方が良いでしょう。紙面の都合がある中、幅広く紹介してくれているが結局どれを使えば良いのか悩ましくなるのではないかという感想。

3章はJava EEの話。単にJava EEの各コンポーネントの話で終わっているため非常に物足りなかった。著者の考えは経験が浅い様に見え、賛同できるものがなかった。正直言ってこの章はなくても良いのではないかと感じた。この章を読んで Java EE/Jakarta EEを触ってみようと思う人は居るのだろうか?

4章はMicroProfileの話。3章同様でした。

5章はGraal VMの話。Graal VM の全体を非常によくまとまっていたと思う。Graal VM を知らない人は Java の新たな一面を垣間見ることが出来るのではないだろうか。ぜひ読むべきでしょう。きっとGraal VMを試してみたくなるはず。

6章は最近のフレームワークの話。淡々と触って見た系の感じでした。これを見て、各フレームワークに興味を持つ人は居るのか若干不思議。もう少し、今後のJavaフレームワークにあるべきな内容を具体的に突っ込んだ話とかが読みたかった。この章を読んで各種フレームワークを触ってみたくなるかというとそんなことは無い感じ。

この書評を書いている今の時点では、まだ発売はしていませんが以下で予約販売しています。Kindle 版はもう買えるみたいです。

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